ワゴンR 業務日誌

正しい暗電流の測り方

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今日は、ワゴンR(MH21S)の電装系のチェックをしましたので、よくお問い合わせいただく「車の暗電流の正しい測定方法」についてご紹介させていただこうと思います。

暗電流の測り方

当たり前ですが、電流計が必要になります。暗電流は「mA」単位になりますので、正確に計測する場合にはこの単位の電流を測定出来る電流計をご用意下さい。

■モデル車両 ワゴンR(MH21S)

後付の電装品:社外ナビ、ETC付

暗電流の測定方法

注意点としては、以下の点になるかと思います。

  • 近年の車は、キーを抜いてもしばらくの間は電気を消費してる車種が多いので、何十分か放置してから測定します。
  • 最初の計測は、念のために電流計の測定レンジは「A」の単位で計ります。(オーバーロードで電流計のヒューズがとんでしまうのを防止するためです)
  • ターミナルを緩め、ターミナル(車側)とバッテリーポール(バッテリー側)にテスターのリードを当ててから、これらが外れないようにそっとバッテリーポールからターミナルを抜いてやるようにします(突入電流防止のため)また、こうすれば車側の時計等がリセットされてしまうこともありません。
  • ターミナルとバッテリーポールを外してからリードを当ててしまいますと、突入電流を拾ってしまいますので測定値も大きな数値になってしまいます。
  • 一般的な乗用車でしたら、0.02A~0.05A前後の値になると思いますので、正確な値を計測するため、電流計の測定レンジを「mA」にして再度測定します。一般的には、10mA~50mA程度でしたら正常の範囲内と言えるでしょう。セキュリティーが装備されてる車種ですともう少し大きな数値になるかもしれません。ご参考までに、当店で業務使用しているレジアスエースバン(200系)は、社外のセキュリティー製品を取り付けていますので、暗電流は70mA~100mAくらい(LEDが点滅するため数値が動きます)です。

具体的な計り方、測定方法の手順は以下の通りです。

DSC_0929

最初に、テストリードをターミナルとバッテリーポールに当てておきます。写真はマイナス側で電流計のレンジは「A」にしてあります。(写真のマイナス側のテストリードにワニ口クリップを取り付けてナット部分にかませてあります)

DSC_0930

ターミナルをバッテリーポールから外すと、0.019A(19mA)と表示されました。

DSC_0939

次に、電流計のレンジを「mA」に変えて同じように測定したところ、19.62mAと計測されました。

DSC_0943

参考までに、プラス側でも同じように測定してみます。19.61mAですので、計測誤差の範囲内です。(バッテリーから出て行く電流と戻ってくる電流は基本的には同じです)

デジタルテスターでしたら、極性はあまり関係ありません(反対の場合、数字の先頭に-が表示されるだけ)ので、プラス、マイナスどちら側で測定されても大丈夫ですが、デジタルテスターで計測するのでしたら、マイナス側で測定された方がリスクは少ないと思います。

尚、この程度の電圧(12V)、電流で人間が感電するようなことはありませんのでご安心下さい。

■モデル車両 レジアスエースバン(200系)

後付の電装品:社外ナビ、ETC、ドライブレコーダー、社外セキュリティー付

ハイエース 暗電流

ハイエース 暗電流

メーター内のカギマークが点滅しますので、約70mA~約100mAをいったりきたりとなりました。

オルタネーター診断

ついでに、Snap-onのマイクロバットを使ってオルタネーターの診断をしてみました。

オルタネーター診断

 

充電電圧と、アイドリング時、3,000rpm/h時(負荷時)の各々のリップル電圧(簡単に言うと電圧のぶれです)を計測することで、オルタネーターを診断するテスターです。

オルタネーター診断

結果は、合格・・・暗電流を含め、何ら問題ありませんでした(笑)

公式サイトでは、バッテリーの充電方法バッテリーのメカニズム等、バッテリーに関するイロハを、多岐にわたって詳しくご紹介しておりますので、よろしければ自動車バッテリーに関する知識を深めていただくため、ご覧いただければ幸いに存じます。

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